増改築相談員とは
増改築相談員の条件と実務経験
住宅リフォーム工事は新築工事と異なり、リフォーム工事特有の専門的な知識や職人の技術が必要といわれています。この専門的な技術等を十分に習得するためには、現場での実務経験がとても重要になります。
増改築相談員は、住宅の新築工事またはリフォーム工事に関する実務経験を10年以上有している方々を対象としています。この実務経験を基礎に、(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが主催するリフォームに関する研修を受け、考査に合格した者です。現在、全国で15,300名、長野県で400名余の資格者が活躍しています。
消費者の住宅リフォームを支援する相談員
リフォーム市場が成長する一方で、確かな技術が十分に備わっていないまま行った工事や、行き過ぎた営業行為によるリフォーム工事においてトラブルが発生している現状も見受けられます。住宅リフォームをしようとする消費者の皆さんにとって障害となるのは「誰に相談したらいいのか」や「どれくらいの費用がかかるのか」といったことではないでしょうか。「安心できる事業者」ということは、発注者が工事の依頼先を決定する条件として最も重要な部分です。
増改築相談員は、これから住宅をリフォームすることを考えている消費者の方々からの相談に誠実に応ずるとともに、要請に応じて積極的な助言、具体的計画や見積り、施工管理等を行うことにより、住宅リフォームの健全な普及を促進しています。
増改築相談員の活用が進む介護保険・住宅改修
長野県建設労働組合連合会(協会の母体)では、長野県や県内市町村へ「増改築相談員の活用」を申し入れてきました。その結果、長野県が発行する市町村の介護福祉担当者の指導マニュアル「高齢者在宅福祉事業の手引き(H16)」に、地域の増改築相談員の活用が紹介されました。そうしたことから、介護保険・住宅改修の「理由書作成者」として正式に認める市町村は、長野市、千曲市、伊那市、大町市、池田町、松川村、白馬村、小谷村へと広がっています。さらに長野市では、同改修工事代金が直接工務店に支払われる「受領委任払い制度(H16)」が導入され、利用者の経済的負担も軽減されました。